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冨士屋『とうまん』は、素朴なのに、よそ行き。 札幌っ子が思い出と共に食べるお菓子。

 「とうまん」は、札幌っ子が思い出と共に食べる味。

全自動の機械で製造、その過程を見せながら作るのですが、これが工場見学のようで面白い。

『丸い型に「生地」を流し込み、その上に「白あん」がのせられ、そしてまた「生地」を流し込んで、白あんを挟んだサンドイッチ状になったら、熱い板の上で、どら焼きのような茶色の焼き目がつくまで焼かれ、その後、ひっくり返され、焼き印を押され、焼き上がった「とうまん」が、丸い型から外され、ベルトコンベヤーにのって運ばれていく。そして丸い型は、内側にブラシで薄く油を塗られ、また生地が流し込まれ……』
と、このオートメーションが、無限ループのように続く。

一見、庶民のお菓子「おやき」を小さくしたものにも見えるのですが、サイズ的にかなりコンパクトで小さいのと、「白あん」が上品で、ちょっとよそ行きの味。

お客様が見えた時にも、お茶うけとして出される感じです。

小麦粉で作られた生地に、白あんが入っている、素朴なお菓子が、
お客様にお出しする、少し格上の、よそ行きのお菓子扱いされる理由は、もう一つ。

この「とうまん製造機」の置かれている場所。

札幌には、年輩の方々から「まるいさん」と呼ばれる札幌人御用達のデパートがあるのですが、
(百貨店(デパート)に「さん付け」はなかなかないことらしく、いかに丸井今井が、札幌で親しまれてきたか、という証だそうです)
昔は、札幌駅よりも大通駅の方が人通りが多く、メインな感じで、その大通りにあるデパートの丸井今井札幌本店には、多くの家族連れが入っていました。
その地下一階に、何十年も前からあり、
とくに昔、昭和の時代の札幌の子供達は、だいたい何度かは、その光景にくぎ付けになりながら、ガラス越しに「とうまん」が製造されている現場をみて育つ。(笑)

(大人が見ても楽しいので、親になると、子供の付き添いの振りをして、また見る。(笑))

(でも今は、ユーチューブがあるので、見放題です。)

デパートは、家の近所のスーパーマーケットとは違うイメージで、お値段も正規だったりして、ちょっとよそ行きの、格上の場所。
そこで、「とうまん」作りを見ると、もうその時点で、お客様にお出しできる感、満載。(笑)

札幌で育った札幌っ子(今は大人)の多くが、その思い出と共に、とうまんを食べます。

札幌に「とうまん製造機」は、数か所にあり、一つは『丸井今井』デパートの地下1階、そして札幌駅の地下街アピア冨士屋、あとアリオ札幌と、カテプリ新札幌だそうですが、

今回は夫が飲み屋帰りに、アピアで「とうまん」を買って来てくれました。

飲み屋帰りに「折」(おり)。
昭和のお父さんあるある。(笑)

なかには、とうまん10個と、ちいさな説明書き。

ちなみに、丸井今井で買うと、焼き印が〇の中に「井」と書かれたものになります。

説明書きによると、「さっぽろ名物 とうまん」は昭和27年に発売、上品な風味とさっぱりとした甘さが特徴のお菓子で、
贈り物、ご家庭へのお土産、お子様のおやつに安心してお勧めできる好適品。
常温で、お買い上げから3~4日は日持ちするそうですが、乾燥すると硬くなります。
(硬くなったら、油で揚げるのも一方。)とのことです。

家に帰って、お茶と一緒にいただくと、心地よい甘さが口の中に広がり、とうまん製造機で焼かれている様子が、脳裏によみがえります。

素朴で美味しく、ほっとできる。
年輩の方々へのお土産としても、喜ばれそうです。