
歯科衛生士さんに歯磨きを教えてもらうことになり、ブラッシング指導に入ると、 「磨き残しがあります」と言われる確率が高いように思います。
これは、四角い柱の掃除はしやすくても、 星形の柱の掃除はしにくい、 みたいなもので、
(例えが、微妙ですが(笑))
歯も複雑な形をしているので、お掃除しにくく、汚れが残りやすい、ということだと思います。
そこで、前回記事で、この歯の掃除(歯磨き)を、なるべく簡単に出来る方法を、お伝えしてきているのですが、
それが、道具を何種類か使うこと。
(なぜ? 道具を使い分けると良いのか? の記事はコチラ。
『5. 歯磨きでの「磨き残し」は、「道具を選ぶこと」で磨けるようになります。 不器用さんでも大丈夫。 より確実に歯をみがける方法。 ブラッシング指導。』)
歯ブラシ一本でも、「この角度で当てるとより汚れが落ちる」とか、
「細かく動かすと、汚れが落ちやすい」という方法は、あるのですが、
その角度や動きなどを完全に覚えて磨くことだけに頼ると、 難度が上がり、磨き残しなくキレイに磨くのが、難しくなります。
正直、歯科衛生士は、歯磨きのプロなので、
ある程度、歯が磨けることを、そんなに難しいことと自覚しづらかったりしがちなのですが、
(つまり、「覚えてしまえば簡単」)
最初に「歯磨きの仕方を覚える」のは、それなりに時間がかかり、
練習の必要な作業なので、
(なので、歯科衛生士にブラッシング指導を受ける必要があります)
自信のない歯磨きに、さらに、時間をかけないといけない、
という状況が続きます。
でも、人によっては、毎回のブラッシングが難しかったり、時間がかかりすぎると、
毎日大変になり、環境が多忙であるときなど、ついには止めてしまう、
ということになるかもしれません。
と、いうことで、
今回は、そんな難しい問題を回避する、 なるべく簡単で短時間で出来る歯磨き法を書いてみます。
もはや何の宣伝?という感じですが(笑)
私が磨いてみたら、数分で終了でした。
ただ、歯科医院の歯科衛生士さんが、もっと長い時間かけて磨いてください、というのには、 理由があり、
歯周病にかかっている患者様などは、時間をかけて、歯磨きすることで、 歯ぐきもマッサージされ、歯周病が改善していくこともあります。
友歯科衛生士さんも、歯周病の患者様には、もっとゆっくり、時間をかけて、長くブラッシングしてもらうと思いますが、
比較的健康な口の中の患者様が、
仕事で忙しい働き盛り、や、子育て中など、
毎日の生活の中で、長時間歯磨きに時間を使うことが難しい場合に、
最短で、一通り、この手順で磨いてください。
というのを知っておくと、ラクで、
時間のないときには、簡単に短時間で歯垢を落とせる方法を知っていること、が、良い場合もあり、
そういう方法を書いてみたいと思います。
さて、今回、使う道具は、4種類。
「え? 4種類? 多い!」 と思いがちですが、(笑)
(フロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシ、歯ブラシ、の4種類。)
この4種類を使っていくことで、 逆にカンタンに、短時間で、多くの歯垢が落とせる方法を今回は書いてみます。
最初は時間がかかっても、慣れると、かなり早く、磨くことが出来ると思います。
(もし、4種類使えない場合は、3種類でも、2種類でもいいので、使えるものだけでも使って磨いてください。
4種類揃わないから、磨かない、という選択はしなくていいと思います。
できなければ、歯科医院に行く前だけでも?、4種類使って磨くと、
「キレイに磨けていますね」と、言われる可能性が高まるので、お勧めです。(笑))
まず、一種類目、フロス(糸ようじ)。
そんなの使ったことないよ~、と、いうかたにも、楽に簡単に汚れが落とせるグッズで、ぜひぜひイチオシでお勧めです。
これを、歯と歯の間から、無理のない、自然に入る範囲で、歯肉溝にも少し入れ、
そこから、右の歯の側面、 また左の歯側面、という感じで、 両側の歯2本を意識して、別々に磨く意識で、 歯の側面を、フロスで磨きます。
これを全部の歯と歯の間に入れ、歯の側面を磨きますが、
慣れていくと、スピードもアップし、
「歯と歯の間って、意外に少ない場所しかないんだな」という感覚になっていくかと思います。
歯科専用のフロス、指に巻き付けるタイプのフロス、など、 様々なフロスがありますが、 慣れないうちは、ホルダーについているものが簡単。
(というか、「慣れていても、ホルダーのついているものが簡単」。(笑))
市販で、スーパーに売っているものでも、歯と歯の間に入れば大丈夫です。
(歯と歯の間が狭ければ、細いタイプのフロスを使ってください)
次に、二種類目、「歯間ブラシ」。
これも、歯と歯の間に入れて、歯と歯ぐきの境目に当てて使います。
使いやすいのは、L字型のものかと思いますが、
(上の写真でいうと、黄緑とオレンジの歯間ブラシ)
コスト的には、真っすぐなタイプのものに軍配が上がります。
(上の写真にある、黄色の歯間ブラシ)
真っすぐなタイプのものは、奥歯に使う時に、針金を自分で曲げてL字にして使います。
とくに奥歯に使い、歯の根元、歯ぐきにつく部分にブラシが当たるようにして、
歯と歯の間に入れて一本ずつ、隣同士の二本の歯、それぞれを磨くように意識して磨くといいと思います。
フロスをすれば、歯間ブラシはいらないのではないか? と思われることもあると、思いますが、
できれば、奥歯は、フロスと歯間ブラシの両方を使うといいと思います。
前歯(右の犬歯から左の犬歯までの歯)は、作りてきに、側面の幅が薄いので、面積があまり広くなく、凹凸も少ないので、 フロスだけで歯間部分が磨けることが多く、
その方の歯茎の形状により、きれいな歯ぐきの形を残したい場合など、 あえて前歯に歯間ブラシを使わず、奥歯にだけ使ってもらうこともあります。
奥歯(臼歯)は、前歯と違って、歯と歯の間、歯の側面に幅があり、面積が広くて、凸凹があり、 歯間ブラシで、フロスとは、また別のところが磨けるので、 奥歯についてだけ、フロスの他に、歯間ブラシをかけるといいと思います。
(実際に歯間ブラシを入れてみると、フロスの後でも、汚れが落ちてくるのが分かります)
奥歯(臼歯)の歯と歯の間に歯間ブラシを入れ、
(下の写真の歯間ブラシは、テペ歯間ブラシ)
手前の歯の、歯と歯ぐきの間に当てて、何度か出し入れし、
次に、奥の歯の歯と歯ぐきの間に当てて、何度か出し入れして、使います。
(フロスと同じように、両サイドの歯、2本を意識して、別々に磨くようにします。)
フロスと歯間ブラシをかけたら、 あとは、ワンタフトブラシと、歯ブラシで終了。
ワンタフトブラシは、前回記事『6. ブラッシング指導。 磨き残しを回避する歯磨き法。 「スウェーデン式歯みがき」。』でも書いたのですが、
歯ブラシで磨きにくい所にピッタリ入る形なので、 歯と歯ぐきの境目、歯頸部のところを一周する感じで、磨きます。
歯頸部とは、ピンクのラインのところ。 ピンクのラインのところをなぞるように、ワンタフトブラシをかけ、
最後に、歯ブラシで、歯磨き。
(上の写真は、テペ歯ブラシ)
歯ブラシの動かし方は、歯科医院でブラッシング指導に入ったことがあれば、 その方法でするのが、いいと思います。
上の写真は、歯に対して45度で当てる方法で、 歯周病などの時に向いているブラッシング方法ですが、 大きく動かしてしまうと、歯ぐきの擦り減りなどの弊害を起こすことがあるので、 当てたら、その場で、毛先を大きく移動せずに揺らすだけで歯垢が落ちます。
バス法以外の方法では、歯に対して、直角に歯ブラシを当てて、細かく細かく動かして磨いていく、スクラビング法という歯の磨き方もあります。
奥歯から、順番に、歯ブラシを細かく動かして、磨いていくと、 かなり歯垢は取れます。 お口の中の形状は、個人個人で違うので、
歯磨きの仕方は、個人個人、口の中の状態によって、 最適な動かし方があります。
実践される際には、かかりつけの歯科医院で歯科医師に診てもらい、歯科衛生士さんから直接のブラッシング指導を受けられて、行ってください。
この4種類(フロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシ、歯ブラシ、の4種類)を使って磨くと、よく、磨き残しを指摘されるという方も、 早く、多くの歯垢が落とせて、磨き残しが少なくなると思います。
また、4種類のブラシを一通りかけていけば良いだけなので、
やることが明確で、分かりやすいかと思います。
この磨き方で磨き残した部分については、
ブラッシング指導で歯科衛生士さんから教えてもらい、
「今、磨けている部分、に、プラスして、
磨けていない部分を磨く」、
ということを繰り返すことで、
どんどん歯磨き技術が、向上し、
キレイに磨けるようになっていくと思います。
☆ 友歯科衛生士の書く、「フロスは凄い!」の記事。
(1)フロスは、スゴい! 歯と歯の間の歯垢が取れる、だけじゃない。 歯周病予防、口と全身の健康の、スゴイ効果。 ホルダー付きならカンタン。 -
☆ ワンタフトブラシの使い方や、動かし方、
株式会社 ラピス さんからでている動画、とても分かりやすかったです。
☆ 歯ブラシの動かし方、[Mouth & Body PLAZA]さんの分かりやすい動画が出ていました。