友歯科衛生士のブログ

歯を残して、幸せに暮らすためのブログ



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「歯科衛生士」の資格とは。 「歯科衛生士の国家試験」から。

 歯科衛生士の資格とは。

 1945年(昭和20年)8月15日は、終戦の日。 この年、日本がポツダム宣言を受諾したことで、第二次世界大戦が終結し、 その執行のために、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が日本に入って来たのですが、
そのGHQが、日本に求めたのが、歯科保健の充実でした。

もともと、日本にはなく、アメリカにあった「歯科衛生士(dental hygienist)」の資格。
日本と違い、アメリカの歯科衛生士さんは、局所麻酔なども行うことが許されているということですが、
当時、世界の中で日本は、口腔衛生的には、後進国。

ハグなどの習慣がないこともあり、口臭があると、他の国の人から指摘されることもある、という背景が、この要請と関係があるかどうかは分からないのですが、
それまで、日本にはなかった「歯科の予防治療」という概念、「歯科衛生士」の資格は、こうしてGHQの要請を受けて、
終戦から2年後の、
1947年9月に保健所法を改正し、 1948年に歯科衛生士法を成立させ、
1949年に都道府県知事が推薦した候補者を国費で養成する形で、歯科衛生士の養成が開始されました。
当初は、都道府県知事が許可する国家資格でしたが、現在は、厚生労働省が許可し、 歯科予防の指導や処置、歯科治療の補助など、 歯と歯ぐきの健康を守るために設けられています。

 さて、そんな歯科衛生士の資格とは、一体どんなものなのか?

 仕事としては、ブラッシング指導や、歯石除去などの口腔内清掃、 歯科医師の行う治療の補助など、 口の中を触れるのが歯科衛生士の資格、ということがよく言われるところですが、
これを、歯科衛生士の資格を取る「試験」から読み取ってみると、
歯科衛生士の資格の肝、大切なところが分かりやすいかと思います。

だいたい、学校の入学試験でもそうですが、 試験には、出題者の「こういう人を合格させたい」という意図があります。

 実は、友歯科衛生士さんが資格を取ったのは、もうかなり前。
(知ってる。(雰囲気伝わってる。)と、思われる予感満載。(笑))
かなり前なので、今とはだいぶ違っているところも多いのですが、 あくまでも、昔の試験はこんな感じでしたという、ここからは、 必ずしも正確な情報、ではなく、個人的な考察になります。

 昔、東大の入学試験では、「ルールを守れる人」を合格させようとしていると聞いたことがあり、 当時、(今と違い)「奇想天外」で奇抜な人が多いという東大のイメージとかけ離れていて、 真面目な人を求めているんだ!と、驚いたことがあるのですが、 (昔、東大といえば、天才!というイメージで、凡人には分からないような問題の解き方をしたり、奇想天外な天才的なアプローチで問題を解決していくような勝手なイメージがあったのですが、
実は、基礎からコツコツと、ルールにのっとって順番に問題を解いていくような地道さを求められる、それが東大の試験問題なのかもしれません。 分かりませんが。(笑))

例えば、今、大学の入学試験は、
「自分の頭で物事を考えられる人」という思考力のある人材を育てたいという意図があり、大学の試験も、マークシートで問う知識による正解ではなく、思考力を問う記述式へと、変革しようとされつつあるのですが、
友歯科衛生士さんの時代の歯科衛生士資格を取るための国家試験の問題は、
(古い。(笑))
例えば、『治療している歯の、「噛み合わせの歯」のほうの型取りはできるけれど、 詰め物を作るための「治療している歯」の精密な本印象の型は取れない』など、
ここまでは出来るけど、これは出来ない、というような基本的な問題が多く出されて、 それに、 文末で「~ができる。」、「~ができない。」と、文末の最後まで読まないと答えが分からないという、古典的なひっかけ文などがつき、(笑)
それに○×で回答する、などの簡単な問題もいくつか出題されていました。

今の試験問題は、知識を問われる問題が多く、 私の試験を受けた時代とは違い、 求められるものも変わってきたのかもしれませんが、
友歯科衛生士さんが受験した当時、そのように古典的なひっかけまでかけて、 歯科衛生士資格の試験で、何度も問われたもの。

それは、 歯科衛生士は、何の仕事ができるか? と、同時に、
「何の仕事が、できないか」。

 歯科衛生士の資格は、歯科医師とは違い、同じ歯科で働いていても、できないことが多くあります。 6年かけて歯科大学で学んでいる歯科医師との医療の知識の差は歴然なので、当然なのですが、
その机上の知識もなく、医療行為を行うことは大変危険。
その意識を、医療の現場で患者様を前にし、何年働いたとしても、自覚し続けられるかがとても大切で、その自覚を強く求められる試験になっていたと思います。

 診断もできない、麻酔も出来ない、歯科医師の指導の元に医療行為を行うことが多い、 それが歯科衛生士の仕事。

 医療では、この、「何が出来ないか? という自覚」が、非常に大切で、
自分が出来ないことなのにもかかわらず、患者様に分かったフリや、手出しをしてしまうことで、 人を傷つけることになりかねないので、
同じ口の中を触っていても、その自覚が、あるか、ないかが、強く求められる感じでした。

ただ逆に、患者様に寄り添い、このように歯ブラシを動かしたら、簡単にキレイに歯垢がとれます、とお伝えしたり、 ついている歯石除去したり、
患者様が一生歯を残すための歯ブラシの使い方をお伝えしたり、 歯ぐきの状態をお伝えし、歯周病で一生歯を失わないための指導や、菌を取る行為などは認められているので、
歯石を取ったり、機械で磨き上げたり、 それこそ、「歯科衛生」の仕事に特化して医療行為をすることはできる、という感じだと思います。

 もし、歯科全般をみて、治療行為をすべて行いたいと思ったら、歯科医師を目指すのがいいと思います。
歯科衛生士は、その一翼を担う仕事ですが、 この症状なら、この病気だと、診断することはできず、 歯科医師の指導の元に、医療行為を行います。

 例えば、患者様に口内炎が出来て、 そこに尖って当たっている歯牙などがないかを確認し、栄養状態やストレスなどの精神状態を確かめて、 「この薬を塗っておきましょう」という歯科医師の治療行為を何回も見ていたとしても、 歯科衛生士には、「薬を塗っておきましょう」と判断することはできません。
同じような口内炎に見えても、もしかしたら、次に来た患者さんは、 「これはただの口内炎ではなく、ガンかもしれない」。
それを、見抜く診断が、 歯科衛生士にはできないのだ、という自覚がなければ、 歯科衛生士としては、失格ということだと思います。

 一般的に患者様の立場で見ていると、 国家資格を持たない歯科助手さんと、 歯科衛生士さんの資格の違いは、口腔内が触れるかどうかだ、という認識も多いかと思いますが、 口腔内を触るにあたって、その知識と自覚を持っているかどうか?が一番問われるところ。

昔、テレビで放送していた海外の有名な人気ドラマ「ER 緊急救命室」で、

研修医が、何度も見ていた担当医師の治療行為の見学から、
「自分にもできる」という気持ちになり、 指導担当の医師がいない時に、同じように挿管し、「ほら、簡単。私にもできる」と言ったところで、患者さんの容態が急変。
危篤状態になり、免許取り消しになる、という放送を見たことがありますが、

医療では、出来ないこと、分かっていないことを(現場で何度も同じような症例に対処する医師の医療行為を多くみることによって)「分かったような気になってしまうこと」が一番危険で、
赤信号は止まれ、青信号は進め、 何が赤信号で、何が青信号なのか? その知識と自覚が必要な資格、ということだと思います。

「何でもできる歯科衛生士」、「何でもこたえられる歯科衛生士」 というのは、実は間違いで、 患者様は、 「診断の資格はないけれど、本を見て知識を知っています」、 というような素人てきな答えではなく、
きちんと診断する国家資格を持つ、歯科医師から聞かなければならない答えも多くありますし、
歯科衛生士は、歯周病予防を考えるプロフェッショナルですが、 自分が何のプロであるのか?の自覚がとても大切な仕事で、 歯科全体すべての仕事ができる訳ではない、というところが、それが歯科衛生士の資格の特徴の一つ。

資格を持たない、でも、見たり聞いたりでなんとなく知っているような知識を、 口に出してしまうことのほうが、 言わないということよりも、簡単なのかもしれないと思います。