前回記事に書いた、『(1)毎日、歯を磨かない人の、歯磨き習慣のつけ方。 習慣をつくる方法は、「時間枠を作ること」』。
毎日、歯を磨くのは、当たり前だと思っている方も多いと思いますが、
実は、毎日歯を磨かないというかたは、意外といらっしゃると思います。
さて、毎日、歯を磨いているのに、それでも、
「磨けていません」などと言われてしまう歯科医院で、
そこのキレイな歯科衛生士さんにむかって、
「実は、毎日歯を磨く習慣がなくて…」などと言ったら、一体、どう思われてしまうか……!?
と、一大告白を考え、不安になってしまった方。
良い方法があります。
とりあえず、歯科医院に行く日は磨いていきましょう。
今日から磨いて、歯磨き習慣をつけると、解決です。
直前に磨くだけでは、歯ぐきの状態が悪いので、磨けていないことがバレるので、
できれば、一か月とか、一週間前とか、なるべく早い時期から磨き、
聞かれたら、その一か月の歯磨き習慣を歯科衛生士さんに報告する。
とりあえず、「磨いているけれど、(ヘタで)磨けていないんです」ということになるかもしれません。(笑)
ただ程度問題で、あまりにも本当に磨いていなくて、
口の中が大変なことになっている方は、キレイな歯科衛生士さんに分かってしまうかも。
でも、過去のことは変えられませんが、
今から磨けばいいと思います。
これをチャンスに、歯磨きを始めます。
歯を残せる、まだ間に合う、という時期に歯磨きを開始すること。
このブログ記事を読んでいる、皆さん個人個人の年齢も口の中も違うので、
今が「間に合う時期」なのかどうかは人それそれだと思いますが、
少しでも歯を残せる時期の可能性があるなら、
今すぐに歯磨きを開始して、歯科医院に行く予約の電話をかけてください。
歯を磨かなければ、将来、大多数の方が歯周病で歯を失うことになりますが、
歯を失う(抜歯になる)か、否か?は、
抜歯を回避できる時期(歯周病がそこまで進行する前)に、歯磨きを始められたかどうか?
歯周病は、長い年月をかけて進行していき、抜歯に追い詰められる、
というような病気なので、
追い詰められる前に回避する。
将棋(しょうぎ)で、詰められて、
「あ、罠にかかった」と、周りを囲まれ、もう逃れられなくなって気が付くのではなく、
今なら、この一手で、逃げられる、という時に、
相手のポーカーフェイスを見抜いて、歯を磨く、
みたいな感じです。
(歯周病も、抜歯に追い詰めるまで、ポーカーフェイス。
痛みなく、何事もないようなふうを装い、実は進行して悪化していく感じです。)
と、いうことで、ここからは、歯を磨く習慣のない人のお口の中が、将来どのようになっていくのか?
高確率で、こうなるよ、という、大まかな未来予想図を書いていきたいと思います。
毎日、歯磨きする習慣のない人は、長年その状態で過ごしてきたため、
これからも、ずっとそのままイケてしまうのだ、という感覚に陥ります。
親は「毎日歯を磨け」、というけれど、
磨かなくても何にもないじゃないか、などと思っているかもしれません。
歯を磨かなくても、それを誰かに面と向かって言われることもないため、
バレていないだろう、と、本人は思っていますし、
人間関係でも、それなりに友達がいたりすると、
まさか、人と上手くいかない原因が、歯を磨いていなからだとは思えてないかもしれません。
ただ、人間関係に大切なのは、「清潔感」。
それを無意識にかもしだす、口元は、かなりの注目度でみられています。
まずは、見た目から。
これは、未来予想図というより、今のことですが、
口臭があるのは、本人には分からないことが多いですし、
口臭がある、ということを本人に伝えるのは、抵抗がある方が多い。
また、歯に歯垢がついている、ということは、さらにハードルがあがり、
分かっていても、言われないことがほとんど。
何となく口元から目をそらしたり、
少し距離を開けたりして、やり過ごすということが多いと思います。
ただ、鏡を見ると分かると思いますが、
歯についている白いモノ、自分で見えるということは、
他人からも見えています。
さらに、話す時に引いている糸は、ちゃんと相手の目に入ります。
モテない…と、なげく前に、できることはあります。
人間関係でも、どこか人と距離を取られると思ったら、
まず、歯を磨いてみるのもいいと思います。
最近は、マスクで隠れるから…、
という意見もありますが、
正直、それで見た目と口臭から救われている方々は、多いと思いますが、
ただ、食事をするときや、意外な瞬間に、けっこうマスクを外すことはあるので、
間違ってもバレないよう、磨いておきましょう。(笑)
(歯科衛生士のブログとは思えない、まさかの「バレないための歯磨き」。(笑))
さて、まず「見た目」や、口臭のニオイなどの不快感からお伝えしてきた、
歯磨きをすることのメリットですが、
実は、深刻なのが、健康面の問題。
近年は、外科手術をする前に、歯科に行ってくださいと言われることが多く、
口の中の菌からの感染は、危険なので、
心臓手術など、口の中の菌が少ない状態になってから、行われるようです。
口の中にある菌は、口の中だけにとどまっているのではなく、
全身に回る可能性があります。
実際、心臓の膜などから口の中の菌がみつかるなど、口とは離れた体の器官からも見つかり、深刻な感染症を引き起こすそうです。
全身がすこぶる元気な時には、暴れられない菌も、
抵抗力の弱まった時には危険ということもありますし、
切迫早産などのリスクや、脳血管障害などのリスクもあるそうです。
また、若いうちは、歯を磨かなくても、抜けなかった歯ですが、
年を取ると、磨かなかったことがたたり、「抜けます」。
そのため、もし、毎日歯を磨く習慣がなかなかつけられない方でも、
最低でも、歯が抜けない程度には、歯を磨いておいた方がいいと思います。
(歯科衛生士のブログとは思えない、まさかの「歯が抜けない程度には磨け」。(笑))
ちなみに、この「歯が磨けない程度には磨こう」は、
ちゃちゃっと毎日適当に歯磨きを終わらせるような手の抜き方、磨きかたではなく、
いつもは、ちゃちゃっとだけれども、
この一か月は、徹底的に磨こう、とか、
三か月に一回、歯医者さんに定期検診やクリーニングしてもらい、その前後の数週間だけでも、しっかり磨く、といった、
毎日継続して磨くことが難しい方にピッタリの、
期間限定「その時期は、頑張る」みたいなキャンペーンてきな磨き方。
同じ「手を抜く」なら、
毎日歯垢を大量に残したままで、歯ぐきにある炎症を持続させるのではなく、
一時期だけでも、歯垢(ばい菌)をかなり少なくなるまで落として、
歯ぐきにある炎症を、一度止める、という磨き方です。
正直、これを言っていいのか?と思うほど、
歯科衛生士の教科書からは、離れた方法ですが、
この方法でやってみてくださいと、おすすめは出来ませんが、
(教科書てきには、毎日きちんと磨くのが正解で、これ以外の選択肢なし)
実際、歯を磨く習慣のない方が、
毎日歯を磨けるようになる、その習慣づけは、けっこう難しいこと。
その方々の歯を、抜けないように守るためには、
理想は、理想として、ちゃんと毎日歯を磨くのが正解です、とお伝えしつつ、
それがどうしても出来ないなら、
現実的に、どうしたら、その方々の歯を守れるか、
その方々が、実際にできる方法を考えるしかないと思います。
実際、今まで歯磨き習慣がない方も、
歯周病がすすんで、「抜歯か?、歯を残せるか?」の瀬戸際。
今磨いたら、歯を残せるかも!?
という状態になり、
その時に、運よく歯科医院で歯周病を見つけてもらって、その説明を受けると、
みなさん、突然のように、もうぜんと?歯磨きを始められます。
それが、究極の「間に合う時期」ですが、
正直、ここまで来てしまうと、歯を磨きながらも、瀬戸際すぎて、
「歯を残せるかな? 抜歯になるかな?」という焦燥感にかられながらの歯磨きになり、けっこう苦しい辛い思いをしたり、
磨いても間に合わず、現実的に抜歯になってしまう方もいらっしゃるため、
ぜひぜひ、その前から、歯磨きの方法を聞いて覚えて、歯を磨いておいて欲しいのと、
この瀬戸際の時期などにも、キチンと見つけてもらえるように歯科医院に定期的に通っていただきたいと思います。
毎日磨けなくても、磨く期間を作る。
定期的に歯科医院に通い、自分の歯周病の状態を把握しておく。
磨ける時だけでも、キチンと磨く。
歯科医院に行って、定期的にクリーニングする。
毎日キチンと歯を磨く習慣のない方々で、どうしても歯磨き習慣をつけられない方には、多分、これが現実的な解決法になることが多いかもしれませんが、
歯磨きは、100か、0か、という理想(100)を追求して、
ダメだったら全部ダメ(0)という感じでなく、
100は無理でも、80点取れれば、歯は残せるかもしれない、と思った方が、
現実的に、残せる歯を増やせる気がします。
都合の悪い何かを聞いても、もう今は、「シンジられな~い」で済ませることが出来ない以上、
(そういう年齢を過ぎた、ということを書いている友歯科衛生士の前回記事。
『毎日、歯を磨かない人の、歯磨き習慣のつけ方。 習慣をつくる方法は、「時間枠を作ること」。』)
そんな作戦で戦うしかないかもしれないと思います。
とりあえず、歯を磨かない人の将来は、入れ歯というか、
歯周病がすすんで抜歯など、
歯を失う率、鬼高し。
見た目にも清潔感がないのと、自分では気がつかない口臭が発生していることもあり、全身疾患にもかかりやすく、悪化しやすい状態になる。
そうさせない(歯を失わせない)ため、健康で幸せでいてもらうための方法ですが、
歯は、磨いておいた方が、将来もずっと自分の歯で毎日おいしいものが食べられる、という認識があるといいと思います。