自分では、キチンと磨いている歯磨きを、歯医者さんでは、
「磨けていません」と言われてしまう、
実は、そういうことは、よくあります。
でも、ちゃんと磨いている(つもりな)のに、また努力しているのに、
「磨けていない」とか、「(歯垢が残っているので)これでは歯周病になります」と言われると、
じゃ、どうすればいいの?
と、思ってしまうわけですが、
歯をキレイに磨くためには、「歯の形」を理解していると良いかと思います。
このイメージがあると、
汚れがついて、落とせていないところが頭で理解でき、
落とせるようになる、という感じです。
ということで今回は、歯が磨けるようになるための「歯の形」の知識を、カンタンに、一瞬で?把握していただけるように書いてみたいと思います。
例えば、歯は、このような形をしています。 そこに歯ブラシを当て、
歯ブラシを、後ろに動かし、
手前に動かします。
よくある、歯に歯ブラシを当てて、
前後にシャカシャカ動かして磨く、
歯磨きの仕方の動きなのですが、
今の歯ブラシの動かし方で、歯の磨けていた部分は、
「青い線の部分だけ」だったことが、分かりますか?
分かりやすく1本の歯で見てみると、
歯ブラシを歯に当てて、磨けているのは青い線の部分だけ。
「赤い部分が、磨き残し」ということになります。
これ、中学校の数学で習った、この図と同じなのですが、
(むか~し中学の数学の教科書で見た、懐かしすぎる、図形。)
(いかにも「数学得意でした」ふうですが、実は得意だったわけでもなく…(笑))
直線 ℓ が、円周上に接しているのは、「1点(P)」だけ。
つまり、
この「直線 ℓ を歯ブラシ」、
「円を歯」、と、当てはめて考えたとき、
直線(歯ブラシ)がどんなに大きくても、円(歯】に接する面(磨けるところ)は、
もはや面ではなく、1点のみ、というぐらい少ない。
実際には、歯は完全な円ではなく、丸みを帯びた形、というだけであり、
歯ブラシも、ただの直線ではなく、ブラシなので、
線ではなく面だったり、立体で、
「点」というよりは、もう少し広い範囲が磨けるのですが、
簡単に書くと、こんな感じのことが、歯磨きの時に、口の中で起こっています。
さて、皆様が歯磨きのために「歯の形」をカンタンに理解するのに、必要なのは、「抽象化」。
抽象的思考とは、重要なポイントのみを抜き出し、不要な部分は切り捨てて、物事を把握する思考のことだそうですが、
物事の本質をとらえるには、
この抽象的思考で、「これはどういう事なのか?」と、見抜く力が必要です。
ものスゴく真剣に、まじめに取り組むなら、
歯磨きの仕方を学ぶために、歯の一本一本の形について、正確に見て覚えていく、
そんな方法も、歯科医師や歯科衛生士になるには必要かもしれませんが、
とくに歯科で働く気もない場合、
正確におぼえる時間を手間を省き、究極、歯を磨くのに必要な形を抽象化してみるといいと思います。
とも歯科衛生士さんが考える、
歯磨きのために、把握すればいい、抽象化した「歯の形」は、
奥歯を一言でいうと、「球体」です。
(大胆すぎる、抽象化。(笑))
このイメージが、あるかどうか?
(現実的に、歯が球体だというわけではなく、
「なぜ? 歯ブラシで歯が磨けないのか?」その理由にフォーカスして、重要なポイントのみを抜き出し、不要な部分は切り捨てて、物事を把握しようと考えてみると、
その理由は、「人が思っているより、奥歯は球体の形にちかく、そのために歯ブラシが当たりにくいから」という意味です。)
かなり前ですが、手首に、数珠や、パワーストーンのような、
球体のものをつけるのが流行って、
女性の手首にも、男性の手首にも、よく見かけることがありました。
歯を磨くときに、歯を、パワーストーンの数珠のような球体が、並んでいるイメージでとらえると、
なぜ? 磨き残しが多くでるのか? が、理解できると思います。
もし、磨くのが、鏡を使わないと見えない自分の歯ではなく、
この数珠であったら、
この数珠の表面にびっしりついた歯垢(プラーク)を取ろうとするなら、
歯ブラシを、球体の外側に真っすぐ当てて、前後にシャカシャカと動かすのではなく、
歯ブラシをちょっと傾けて、球体と球体の間にブラシの毛が届くように工夫すると思います。
歯磨きには、その工夫が必要だということです。
歯磨きをするときに、歯が並んでいるのを、頭の中で、
「歯のことをふわっと球体がならんでいる」イメージでとらえ、
球体の並んでいるモノを磨いているのだという意識を持つと、
歯磨きをして歯の汚れを落とそうとするとき、
歯ブラシを当てて磨きながら、
「これでは、「歯と歯の間」の汚れが取れないな」とか、
(「球体と球体の間」)
「歯の根元まで、歯ブラシの毛先が当たっていない」
(球体の下の部分に歯ブラシの毛先が届いていない)
という、イメージが分かります。
と、いうことで次回は、
その球体と球体の間を磨ける方法を考えてみたいと思います。
次の記事。『「磨いているつもり」は、なぜ? 起きるのか? 歯は磨けていないのか? まとめ。』