友歯科衛生士の、きれいブログ

口の中をキレイにする。 一生自分の歯で、美味しいモノを食べるためのブログ。



ブログの情報、方法が皆様個人(体質、症状等)に合うとは限りません。
磨きすぎの弊害等もありますので、歯科医院に通院し歯科医師直接の指導の元に行うことが必要です。

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とも歯科衛生士のブラッシング指導。

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 新卒で入った歯科医院で、当時、歯科衛生士は私一人。
(実は先輩や同時期に入社した歯科衛生士さんはいらしたのですが、私の入社とともに分院のほうへ。)

まだ、歯科医院では、歯科衛生士の本格的なブラッシング指導が受けられることが比較的少ない時代でしたが、
歯科衛生士用のユニットがあり、個室になっていて、
私が専用で使わせていただき、ブラッシング指導と、クリーニングをさせていただきました。

そこでのブラッシング指導は、なんと自費。

私のブラッシング指導に、患者様がお金を出して受ける。

新卒の私には、そのことが衝撃で、プレッシャーで、頂いたお金に見合うだけのことをさせていただいているのか、自問自答でした。
その頃は、大変不安に思っていましたが、
ただ、今振り返って、大人になった私が若い頃の自分を見ると、
ひたすら一所懸命で、真剣に向き合っていて、悪くなかったと思います。

患者様方も大人の方々ばかりで、大変可愛がっていただきましたが、
若い女の子が、必死に自分の歯周病を止めようとして、自分のために真剣にブラッシングを教えてくれる、
その一所懸命な姿に、親のような、とても優しい気持ちになってくださっていたことが、今の私には、分かります。
(私も年を重ねました。(笑))

 その時は、「患者様から、お金をいただいて、ブラッシング指導に入る!」ということだけが頭にあって、必死でしたが、
(「いいのか? 新人の私で?」みたいな)

「自費のブラッシング指導とクリーニング」といっても、
今、保険の歯科指導とクリーニングの点数などを見ると、
保険の3割負担の金額より、お安い金額。(笑)

しかも、予約は1時間の枠で取り、歯科衛生士がびっしりついて、徹底的にマンツーマンでお伝えし、キレイに磨き上げてクリーニングするので、大変お得。(笑)
(今の私が患者様なら、逆に受けたい!(笑))
(でも、そんなことなどはつゆ知らず(笑))

でも、この必死さが、成長させてくれたように思います。

さて、そんなブラッシング指導が、今は無料でブログで読める!?
インターネットは便利です。

ただ、お一人お一人それぞれ、症状や状況、体質等が違うので、
ここに書かれている内容が皆様個人に合うとは限らず、また、
歯磨きには、歯ぐきが擦り減るなどの弊害もあるので、ご自分で、ご自分の身を守ることが必要だと思います。
このブログの内容は、参考に読んでも、実行する際には必ず歯科医院で、歯科医師や歯科衛生士さんに直接見てもらって行ってください。
(ブラッシングだけでは取れない汚れもあるので、歯科医院でしてもらうクリーニングも必要です。)

情報は、なるべく隠すことなく(笑)、公開していけたら、と思います。

と、いうわけで、前回記事まで順番に
歯周病の原因(プラーク)から、どこに注目して磨くのかまで記事を書いてきたのですが、
歯科記事

今回はまた、さらに、詳しく書いていきたいと思います。

 前回の記事では、「歯と歯ぐきの境目」(下の写真のピンクの線の部分)が、
歯周病菌の入り口。そこに歯垢(プラーク)がつかないように磨くのが、歯周病の予防や治療で大切だということを書きました。

前回記事『プロの常識は、非常識。「歯磨き」とは、どこを磨くことなのか? 意外過ぎる「歯磨きで、磨く場所」。(ブラッシング指導)

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さて今回、もっと話をつめて、
「歯と歯ぐきの境目」とは、具体的にどこなのか?

実は、「歯」と「歯ぐき」の境目には、隙間がありまして、
それが、ココ。

つまり、歯と、歯ぐきの間の隙間。
(模型で言うと、ピンクの歯ぐきと、白い歯の間にある隙間)

探針の先が、「歯と歯ぐきの境目」に入り込んでいるのが分かりますか?

歯周病菌はココから、奥へ奥へと、入り込んでいくイメージです。

ココがいわゆる、「歯肉溝(しにくこう)」または、「歯周ポケット」と呼ばれる場所。

 よく歯科医院では、歯周病の重症度をはかる検査で、
歯と歯ぐきの境目の「歯肉溝または歯周ポケット」に、
目盛りをつけた器具(プローブ)を差して、その深さを測っている絵なのですが、
もし、歯科医院で「2,3,5……」などと、数字を言いながら、
歯ぐきを調べている検査をしていたら、
この「歯周ポケットの深さを測る検査」をしていることが多いと思います。

(ちなみに、この「2,3,5……」などの数字の単位はミリメートル(㎜)、
2㎜ぐらいまでの深さなら健康ですが、この数字が大きく深くなるごとに、歯ぐきの下の歯を支えている骨が溶けたり、歯周病が重症化しているという感じで、
歯周ポケットの深さの 数字、その目安や基準としては、
1~2㎜ 健康な歯ぐき、
2~4㎜ 歯肉炎、
4~5㎜ 軽度歯周炎、
5~6㎜ 中等度歯周炎、
6㎜以上 重度歯周炎
となっています。
 「歯肉溝と歯周ポケットの違い」は、名称で、1~2㎜の健康なうちは「歯肉溝」、それ以上の深さになってくると「歯周ポケット」と呼ばれます。)

歯周病の治療や予防は、この歯周ポケットの中に入る、歯垢(プラーク)の量を少なくすること。

と、いうことで、歯周病の予防や治療のための歯ブラシの当て方。
有名な歯磨き法「バス法」は、こんなふうに、歯ブラシの毛先を歯周ポケットの中に入れて、毛先を揺らします。

歯に対して、歯ブラシの毛を45度の角度で当てて、歯周ポケットに毛先が当たるようにする方法ですが、
ここで大きく歯ブラシを動かすと、傷をつけてしまったり、歯ぐきが擦り減ってしまったりすることもあるので、
とも歯科衛生士さんとしては、まず、「当てているだけ」ぐらいの圧で力を抜き、
「毛先の位置は動かさずにそこに置いたまま、その場で歯ブラシを揺らす」のがいいと思います。

と、思わず歯ブラシの当て方を書いてしまいましたが、
実は、歯ブラシとは別に、この歯肉溝の中の歯垢をごっそり、直接とれるアイテムがあります。

それが、「フロス」。

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日本では、ものすごく浸透しているとまで言い難いかもしれないフロスですが、
アメリカでは、「フロスするか、死か」(Floss or DIe (フロスオアダイ))という、これまたスゴいスローガンが、
(極端でビックリ(笑))
1997年にアメリカ歯周病学会から発表されたそうです。
(日本でも歯科医師や歯科衛生士なら、知らない人はいないのではないかと思われるぐらい有名なスローガンです。)

 日本では、まだまだ使用率、みなさんへの浸透率の少ない印象のある「フロス」ですが、
実は、とも歯科衛生士さんイチ押しのアイテム。

次回は、そのことを書いてみたいと思います。

 

☆ 次の記事『実は、ものスゴい! 「フロス」。 歯周病の治療と予防に、口臭に、歯ブラシに自信のない時にも、非常に効果的! 』