ここから順に次の記事を読むと分かりやすいです『歯を残すための知識。 具体的に書くと、ほぼホラー。』

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歯周病とは、どういう病気か? 歯周病といえば、やっぱりこの絵。

 歯周病の説明で、こういうような絵を、ご覧になったことはありますか?

こういう感じの絵が、歯周病の説明を受ける時、本当によく使われます。

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歯のまわりの状態。
一番左の「健康な状態」の絵から始まって、軽度歯周病 → 中度歯周病と移りながら、
歯の根の周りの骨(歯槽骨)が溶けて、歯を支える組織と歯は、どんどん引き剥がされていき、
最後は一番右の絵。

「歯周病は、進行していくと、歯の根が植わっている骨(歯槽骨)が徐々に溶けていき、最後は溶けて無くなって、
歯を支えるものが無くなり、
歯が植わっていられず、抜けてしまう。」
という、
意味を知ると、意外にホラーな絵。(笑)

とくに一番右の絵なんて、
もうほぼ、歯が植わっていない。
抜けるぞ! みたいな、恐怖心をあおる。
(4つ歯の絵がありますが、一番右の絵に注目。  ↘  )

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(一番右の絵は、歯が楽し気に踊っている、のではなく、
支えるものが無くなって動揺し、グラグラ揺れている様子。
抜ける直前。)

実は、とも歯科衛生士さんが、歯科衛生士になった時代から、
(もう、だいぶ昔。(笑))
歯周病といえば、こういうような絵で、
もっと、他にはないのかな? と思ってしまう。(笑)

でも、やっぱり、これになるんですよね。
「歯の周りにあったものが、なくなる」という絵で、
これが事実というか。
最初にこの絵を考えて書いた人、すごいなという感じです。

歯の根の周りにある歯槽骨が、溶けて無くなってしまったら、
もう、ある状態には戻すことは困難。
まず、防ぎましょう!
とお伝えするための絵。

先日の記事、

歯周病は恐ろしい病気なのか? そうでないのか? 』にも書いたのですが、

歯周病は、歯についた細菌によって、歯の周りの骨(歯槽骨)が溶かされて、なくなってしまう病気。
(もう少し正確に書くと、歯についた細菌が直接、歯槽骨溶かすのではなく、細菌が炎症を起こして、免疫反応が起き、白血球の働きなどによって、結果的に骨(歯槽骨)が溶ける(吸収される)のだそうですが、
ここはざっくり、歯に細菌がつくと骨が溶けるという結果になる、ということで書いています。)

絵のとおり、健康な状態から、歯と歯ぐきの間のスキ間から、徐々に奥へ奥へと細菌が侵入して、歯の周りの骨を溶かしていき、歯を支える全ての組織とのつながりを断ち切って、
最後は、歯を支えるものが全て溶けて無くなり、
歯がグラグラ揺れて、倒れてしまう(抜けてしまう)という経過をたどります。

 大人になってから進行して、骨(歯槽骨)が溶けだすことや、患者数が多いのも特徴で、
2001年のギネスブックには、全世界で最も感染者数が多い病気として認定され、
「全世界で最も蔓延している病気は歯周病。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。」と記載されているそうで、
今もその記録が破られることはなく、
40~50歳代以降は、とくに、ほとんどの日本人が、この病気と闘うことになります。

ちなみに、全ての歯がなくなれば、歯周病は終了。
ですが、インプラントを入れれば、インプラントの周囲に歯周病の菌がつき、
インプラントを歯と置き換えた感じで、歯周病になります。

歯がなくなると、毎日の楽しみである食べ物が美味しくいただけないこともありますし、
認知症のリスクが高まるなど、不便や悲しみを感じることが多いので、
1本でも多く、歯を残したいところです。

 さて、その歯周病の「原因」ですが、

口の中には、歯垢(プラーク)と呼ばれる白い細菌のカタマリが存在しています。

例えば人が、極寒の地で寒い思いをしていても、灼熱の地にいても、
その人が生きていれば、口の中は一定の温度と水分を保ち、栄養のある極楽。

常に快適な温度を保ち、水分があり、栄養がある。
細菌の立場で考えると、まるで天国のような環境です。

そのため、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌のカタマリは、
この快適な環境の中で、代謝を繰り返して、どんどんと増殖し、
増殖した菌は、菌群となって群れてぬるぬるのコロニーを形成(台所の三角コーナーのヌメリをなどイメージすると分かりやすいかも)するなど、さらに剥がされにくく成長して、活発に活動していきます。

以前の記事 『歯を残すための知識。 具体的に書くと、ほぼホラー。 』でも少し書いたのですが、
プラーク(細菌)の活動の状態は、人それぞれ違い、
いつも歯磨きをキチンとし、よく清掃されて、しょっちゅう菌群のコロニーが破壊されている人のプラークと、
なかなか清掃が行き届かない増殖した患者様のプラークとでは、
その菌の数も、出される毒素の量も違い、
(増殖がはじまったばかりの新しい菌ではなく、時間が経過することで、出される毒素の量も増え、炎症も深くなっていく感じです。)

そして、この菌の数が、歯周病や健康に大きく関与する。

正直、歯をキレイに磨いても、歯垢を100%落とすことは、不可能だと言われているのですが、
この菌の数をなるべく「減らした状態をキープすること」が、非常に重要です。

口の中の歯ぐきには、血管もあり、この菌の毒素で炎症を起こして出血するなど、
この細菌群にいつもさらされており、
その血管は、全身につながっているので、
この菌が、心臓の膜など、体の中でも見つかっており、
心筋梗塞や、脳梗塞などの、誰もが避けたいと思っている病気や、
糖尿病全身の疾患にも関係するそうです。

つまり、歯周病の治療と予防ですることは、
全身の疾患を予防することになり、歯を守ることで、認知症の予防にもつながる。

歯周病は、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳梗塞、糖尿病の合併症、早産流産、誤嚥性肺炎、認知症などにも関与するそうです。

歯磨きは、例えば今日しなくても、一週間しなくても、
それで痛みが出るということがなく、
「毎日 歯磨きする」というの習慣のない人も一定数いて、
それで「とくに困っていない」と感じている人も多数いらっしゃるのですが、
 実は、歯周病はサイレントディジーズと呼ばれる、静かなる病気。
「音も痛みもなく進行し、気が付いたときには、重症」という病気です。

「とくに困っていない」という期間が長すぎて、
もうすっかり安心し、
全部の歯が残っている、と自慢だった人の歯を、
ある日突然、一気に何本も失わせます。

今は、心臓病などの外科手術に入る時にも、
まず歯科受診をして、口腔内の菌を取るように治療されるのですが、
歯周病の菌には内毒素があり、
弱り目に祟り目。
体が、もともとあった体力や、免疫力、抵抗力を弱くしたときに、
一気に襲ってくるイメージです。

 まず、歯周病(歯槽膿漏)の終わりから、
「歯の周りに、歯垢(細菌)がついた状態」がいかにリスキーで、
健康を損なわせるのか?

口の中の掃除は、サボっていても、気付かれないと思っている人も多く、
そのために、あとで悲しい思いをする方も多くいらっしゃいますが、
次回からは、どのようにしたら、その歯周病に立ち向かえるのか?
防ぐ方法や、治療法を書きたいと思います。

 

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