2019年6月25日

セレブか?貧乏か? 代々続きやすい?階層の負のスパイラル。 その逆転を狙う『下剋上受験』桜井信一著。 阿部サダヲさんと深田恭子さんでドラマ化もされました。

 セレブか? 収入の少ない生活か?
と、選べるなら、
私もぜひセレブを選びたいところですが、(笑)
これを選ぶのは子供のうち、という部分も大きいようです。

 一億総中流と言われた、かつての日本から、
最近は「格差社会」と言われ、
お金持ちは、ますますお金持ちに、
貧乏はどんどん貧乏になっていくことの多い社会だそうですが、
「教育格差」も、よく耳にするようになりました。

「教育格差」は、親の収入によって、子供の受けられる教育レベルが違い、
親が高収入であれば、子供も高学歴になりやすい、ということでもあるのですが、

東大生の親の6割が、年収950万円以上だそうで、
お金持ちの親が子供の教育にお金をかけて学力をつけ、
高度な資格や、学歴をつけるように子供を育てて、
経済的にも豊かになった子供が、さらにその子供(孫)に多くのお金をかけて高い教育をしていく。
これを代々、子々孫々続けていこう、
という言わばプラスのスパイラル。

対して、『下剋上受験』の著者である桜井信一さんは、中卒。



中卒の親の子供は、高卒か大卒になっても、一流難関大学にまでは進学することが少なく、
ずっと超一流の学歴の社会には入れないような、
負のスパイラルに陥りやすいのだということが書かれていました。

中卒の日常を書いてある場面は、面白おかしくも読めるのですが、
大変さやリアルな感じも伝わってきて、
自分の娘には、この世界から抜け出し、
一流の世界で生きていって欲しいという願いが、感じられます。

 そしてこれは、早期決戦によるところが大きく、
子供のうちの教育で、将来の収入の大半が決まり、
子供のうちから勉強し、
学力をつけると有利。
学校を卒業して社会に出てしまってからでは、
滅多なことではひっくり返すことができない階層があるのだそうです。

 そのことを現実として体験している中卒のお父さん(著者)が、
中学受験を思い立ち、娘さんに伝え、家族協力して、娘さんの難関中学の受験を志すのですが、
(今は、東大などの合格者の多数が、中学受験のある中高一貫校出身のため、
まず中学受験の合格を目指す)

 ドラマ化された『下剋上受験』では、
まず、塾に通おうと小学校5年生で入塾テストを受けると、その成績結果で、
「あなたはこのレベルの大学ですね」と塾で大学レベルを決められ、
それなりのレベルの教室を案内されて、
東大を目指してる?? 何をバカなことを言っているだ、てきに鼻で笑われるシーンが印象的でした。

 小学校5年生からなら、まだまだ上を目指せるのではないか?
始めはレベルの低い教室に通されても、
そこから上がっていくことが多いのではないか、
と思われるところですが、
何年通っても、この教室から上位の教室に移れる子供は少数派。

塾の中でもレベルの高い教室に入る年齢は、意外にも決められていて、
それを過ぎると、難しい入塾テストがあったり、一気に入りづらくなることも多いようです。

大人になってから、豊かな収入や一流の生活への下剋上、逆転も厳しいのですが、
子供にも年齢制限があり、
気がついた時には、勝負がつき始めている、ということも多いようでした。

 さて、「下剋上受験」は、ノンフィクション。
現実にあった体験を書いているのですが、
このお父さんは頭の良い方で、自ら勉強して娘さんに教えます。

お父さん(桜井信一さん)の作った算数のテキストは、
今も多くの書店に置かれ続けていて、
書店に置かれる多くの本が消えていく中、
本当にスゴイ事だと思います。




 「下剋上受験」に書いてある内容は、中卒で苦労されたお父さんが、
リアルに、この階層の世界に娘をおきたくない、と思ったところからスタートしているのですが、
読むと、理想的ではない現実に、
ウチも受験させようか?
という気持ちになります。
(単純ですが。(笑))





 同じ頃、高校二年生から猛勉強し、偏差値を40上げて慶応義塾大学に合格した、「ビリギャル」こと、

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』も、
(こちらの記事。『『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』坪田信貴 著。 滅多にない現実。 なぜ? ビリギャルを合格させられたか? ノウハウも書いている本。』



大ベストセラー本になり、映画化されました。
(この本の中にも、お母さんが塾に大金を支払い、塾の先生が、「このお金の重み、わかる?」と主人公のビリギャルに問いかける場面がでてきます。)

 昔は、教育熱心な母親を教育ママ、と呼び、
「お受験」は、どちらかと言えば社会で非難されるように見られることも多かった気がしますが、
今、受験は子ども一人で戦うには、過酷すぎ、
教育にお金をかけ、親が全力で子供を応援することが、以前より一般的になってきたように思います。

ビリギャルの本(「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」)は、大ベストセラー本になり、映画化もされましたが、

ビリギャルに続いて、出版された本は、ビリギャルのお母さんの話。

『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』



という、すごいタイトルの本でした。


 日本では、納税額累計日本一の斎藤一人さんも中卒。

決して学校の勉強や、学歴だけではないですが、

自分が生きているうち、手伝えるうちに、
できるだけ子供を手伝って、少しでも何かを身につけさせてあげたいと思う親心。

何より、なにかを一所懸命にした経験は、その後に活きると思います。

 学生の頃、もっと勉強しておけば良かったな、と思っていたり、
子供にもっと勉強させたい、と思っている時に、
小学生子供と親がタッグを組んで中学受験に挑んだノンフィクション、
『下剋上受験』は、厳しい現実と、あつい親心に、気持ちを動かされる本。

読むと一気に、子供の将来、現実を意識し、
教育熱心な親になってしまうかもしれない本だと思いました。