『嫌われる勇気』岸見一郎、古賀史健 著。 今注目されるアドラー心理学による人間関係の解説、基礎から分かりやすく説明した、教科書のようなベストセラー本。

 人間関係に悩む方は多くいらっしゃいますが、
心理学の根本的な考え方を、一から順に教えてくれるような分かりやすい教科書てきな本は、少ないかもしれません。

人の心理を科学した心理学で、今注目され多くの書籍やマンガになっている「アドラー心理学」、その考え方の基本的なところが、イチから大変分かりやすく書かれている感じの本。

『嫌われる勇気』岸見一郎、古賀史健 著。




 アドラー心理学について書かれている本は多くありますが、
注目されるところ、よく言われているところ、というところに大きく焦点をあてて書く、
という括りではなく、
まず基本、一から順番に教えてくださっているような本で、
読むと、ベストセラー本となっている理由が分かるような気がします。

 多くの人は、人から嫌われたくない、と思って過ごしているのですが、
そこで必要なのが、「嫌われる勇気」だったとは!
というような単純な思考で読み始めた私ですが、
この本は、そんなふうに人間関係や心理学について疑問を持つ、
人付き合いの苦手な「若者」と、それに答える「哲人」との対話形式で書かれていて、
読めば、「意外」と「目からウロコ」の繰り返しで、
作者の手法に、まんまと入っていく感じでした。(笑)

 多くの人に植え付けられている人間関係に対する、固定観念のようなもの。
(人間関係とはこういうものだ、てきな固定観念。)

でもその思い込みが合っているなら、人間関係はもっと素直に上手くいくはずで、
それが違っていることが多いから、人間関係はなかなか上手に保ちにくく、悩む人が多いのだと思います。

今まで上手くいかなかったことを、変えるには、
今までのやり方を捨てること。
そもそも、その思い込みは合っていたのか? というところに疑問を持ち、
思い込みから目を背けてしまってたような真実に、冷静な視点から目覚めることも大切。

例えば、人間関係には、上下関係があり、
上が下を教えるというような暗黙の了解がありますが、

今まで、それで、人がどんな感情になってきたのか?
(それで上手くいくのか)
そもそもその上下関係で人間関係は上手くいくのか?
なぜ? 人間関係に悩む人が多いのか?
そして、そこから抜け出すには、どのように考え、行動していけばいいのか?
などが分かり、より自由で真実に近い発想から、人間関係の基礎を読むことの一助になりそうな本だと思いました。

読書前と、読書後では、世界が変わるかもしれません。

 売れ続けるベストセラー本で、
出版から何年も経った今でも本屋さんで、
目立つところに目立つ形で陳列されていました。


 人間関係、コミュニケーションをとることに悩む「青年」と、アドラー心理学の「哲人」との対話によって成り立つ物語の構成は、
1995年に出版されて世界的なベストセラー本となり、当時NHKでもシリーズで番組を組まれて話題になった哲学の入門書
『「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」 ヨースタイン・ゴルデル著』

を思わせるのですが、
この本の、当時のキャッチコピーは「世界で一番やさしい哲学の本」でした。

(NHKの「ソフィーの世界」についての特集番組で、
著者のヨースタイン・ゴルデル氏と、当時アイドルだった広末涼子さんが、対談していて、「永遠の命を得られるとしたら、あなたはその選択をするか?」という話になり、広末涼子さんは永遠の命にせず自然に生命を終えることを選択したのに対し、著者のゴルデル氏が、迷わずに、永遠の生命を得るという選択をしていたことが、とても印象深く残っています。)
(この放送をリアルタイムで見ていた時点で、そこそこ私の年齢が、バレます。(笑))


今回の本、「嫌われる勇気」も同じような対話型の構成で、疑問を持った「青年」に「哲人」が答え、
その対話で、アドラー心理学の考え方を、段階をおって、理解しやすく説明していく感じで書かれているスタイルなので、大変分かりやすく、
そこに納得や共感が入り、読者も引き込まれていくような手法。
「世界で一番やさしい」かどうかは分かりませんが、
(私が、世界中の本を知っているわけではないので、グランプリをあげられないのですが…)
かなり分かりやすく書かれている感じのアドラー心理学の本でした。

 アドラー心理学によると、「人の悩みは、すべて人間関係のこと」だそうですが、
人との関係に悩む方も、
人との関係は得意だという方も、
アドラー心理学を知っておきたい方にも、
心理学を知りたいと思う方には、多くの人が読んで良かったと思う本なのではないかと感じました。